制作と想い 安野光雅さんと、弱い色の強さ 絵本作家の安野光雅さん(あんの みつまさ)は、淡い水彩で、静かで、細部まで描き込まれた絵を残した人です。わたしが色を抑えることを考えるとき、思い出す作家です。42歳での絵本デビュー安野光雅さんは1926年、島根県津和野町に生まれました。戦後、小学校の代用教員を経て、1950年に美術教師として上京します。教師をしながら本...
制作と想い レオ・レオニさんとスイミー ― 一匹の黒い魚の話 『スイミー』を描いたレオ・レオニさんは、色と「一匹であること」について考えさせてくれる作家です。一匹だけ、黒い魚小さな赤い魚のきょうだいたちの中で、スイミーだけが真っ黒でした。ある日、大きな魚にきょうだいをのみこまれ、スイミーはひとりになります。海をさまようスイミーは、やがて別の赤い魚の群れに出会います。そして、みんな...
制作と想い エリック・カールさんの色 ― 薄紙を切り貼りしてつくる絵 『はらぺこあおむし』を描いたエリック・カールさんは、わたしが色の作り方を考えるとき、よく思い出す作家です。まず、色紙を自分でつくるカールの絵は、いきなり紙に描いていくのではありません。先に「色のついた薄紙」を大量につくり、それを切り貼りしてかたちを組み立てます。ニスを下塗りした薄い紙に、指や筆でアクリルや水彩、ポスター...