STORY ― 命の輝きを描くまで

幼い頃から、「普通」や「常識」にうまく馴染めず、どこか自分だけが違う場所にいるような孤独感を抱えていました。けれどその一方で、人魚姫の物語やセーラームーン、美しい色彩、海の世界には強く心を惹かれていました。言葉では説明できない感情や憧れを、いつも色や物語の中に見つけていたのだと思います。

かつて宮古島に住んだ経験が、大きな転機でした。青い海、島の空気、出会った人たちの温かさに触れるなかで、自分の内側の感覚や命の巡りを、より深く受け取るようになりました。

大人になるまでの道のりでは、摂食障害や鬱を経験し、自分を責め続け、生きることそのものが苦しく感じる時期もありました。けれど少しずつ、自分の心と向き合い、たくさんの出会いや表現に支えられるなかで、「どんな人の中にも、消えない光や本来の美しさがある」と感じるようになりました。

娘の出産は、命の尊さを身をもって感じた大きな体験でした。小さな命が生まれてくる瞬間に触れ、「生まれてきた命は、誰ひとりとして傷つけられていい存在ではない」という想いが根づきました。

だから私は、アートを通して、その人の奥にある命の輝きや可能性を見える形にしたいと思うようになりました。私にとって絵を描くことは、ただ美しいものを作ることではありません。作品を見るたびに、お客さまが自分の価値や本来の輝きを思い出せる、「人生のお守り」のような一枚を届けることです。

「深い海の底に沈んだような時間があったからこそ、私は人の中にある小さな光を見つけたいと思うようになりました。」