アートとウェルビーイングが織りなす豊かな人生|心を救う美の法則

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変わる世界の中で見つける、揺るぎない喜びの源泉

私が日々さまざまな表現に向き合い、発信を続ける中で、常に心の中心に置いているたった1つの想いがあります。それは、私たち人間はこの世界に喜びを味わうために生まれてきたという、絶対的な確信です。人生には、大いなる愛と輝きが散りばめられており、私たちはその光を受け取るために存在しています。しかし、人生における大きな転機や、環境の目まぐるしい変化の渦中にいるとき、ご自身の人生の生きがいや感動を大切にしたいと強く願っているにもかかわらず、ふと心が壊れそうになってしまう瞬間があるかもしれません。より自分らしい人生を心から楽しみたいと前を向いているからこそ、周囲の期待や日々の責任とご自身の本心との間に生じる摩擦に、心がすり減ってしまうことがあるのです。

そのようなとき、アートは単なる鑑賞物という枠を飛び越え、私たちの生命を維持する温かなエネルギーとなり、ウェルビーイングを大きく高めてくれる強力な支えとなります。近年、この素晴らしいつながりを示す出来事が日本や世界中で数多く報告されています。ここで、心が明るくなるような最新のニュースを3つご紹介いたします。

1つ目は、2025年6月2日に公表されたニュースです。表現とケア、そしてテクノロジーのこれからを考える「アート・フォー・ウェルビーイング」プロジェクトにおいて、福祉施設と協働する技術者の募集が開始されました。この取り組みは、テクノロジーを単なる効率化の道具としてではなく、人々の創造的な表現活動を支え、心と心をつなぐ温かな手段として活用することを目的としています。多様な人々が共に表現を楽しむ空間が創出されることは、社会全体の心の豊かさを底上げする素晴らしい一歩となります。

2つ目は、2025年7月16日にピーアールタイムズにて公表された、「だれもが文化でつながるオータムセッション2025」のニュースです。東京都とアーツカウンシル東京の主催により開催されるこの会議では、文化施設におけるアクセシビリティの向上や、多様な人々が安心して表現に触れられる環境づくりについて、具体的な展示や対話の場が設けられます。誰もが等しく美しいものにアクセスし、心を潤すことができる社会への移行が、しっかりと進められていることを示す喜ばしい出来事です。

3つ目は、2024年4月18日に東北芸術工科大学より発表された、文化庁補助事業である「温泉地を舞台にした持続可能なアートアンドウェルビーイング人材育成プログラム」の知らせです。豊かな自然と癒やしの力を持つ温泉地を舞台に、そこを訪れる人々の心身の健康と、持続可能な表現のあり方を結びつける人材を育成するこの画期的なプロジェクトは、土地のエネルギーと人間の感性が深く交差する素晴らしい実践です。自然と表現が融合した場は、訪れる人々の疲弊した心を優しく包み込んでくれたことでしょう。

これらのニュースが示すように、表現の世界は今、社会のあらゆる場所で私たちの心を救う温かな役割を担い始めています。本記事を読み進めていただくことで、あなたはご自身の内側にある豊かな感性を呼び覚まし、日常のあらゆる瞬間に生命の歓喜を見出す方法を手に入れることができます。

ここで、20世紀前半に活躍し、独自の美しい肖像画で世界中を魅了したアメデオ・モディリアーニ氏の素晴らしい言葉をご紹介します。

「君の魂が見えたら、その瞳を描こう」

この言葉は、彼が伴侶であるジャンヌの肖像画を描く際に交わされたものです。彼は人物を描く際、初めは瞳を塗りつぶした状態で描き進め、相手の深い内面と完全に共鳴し、その命の輝きを心から理解した瞬間に初めて瞳を描き入れたと伝えられています。彼にとって表現とは、相手の存在を深いレベルで受け入れ、魂を肯定する無上のやり取りでした。私たちが美しいものに触れ、そこに救いを見出すとき、私たちもまた、この世界から「あなたの魂を理解している」という温かな肯定を受け取っているのです。

生命のエネルギーを交差させ、絶対的な価値を肯定する

私たちが心が壊れそうになったとき、なぜ美しい表現に救われるのでしょうか。その理由を深掘りしていくと、アートとウェルビーイングの間に存在する、極めて本質的なつながりに行き着きます。

表現というものは、キャンバスに塗られた絵の具の物理的な重なりや、精巧に彫り込まれた石の形そのものを指すのではありません。それは、作品を生み出した作者の命のエネルギーと、それを目の前にして心を開くあなたの命のエネルギーが、時空を超えて交差する目に見えないやり取りの場です。そして、私たちが目指す真の豊かさとは、単に病気や悩みがない状態を指すのではありません。あなたという存在そのものが絶対的な価値を持ち、心身ともに満たされ、生きていることへの無条件の喜びに溢れている状態です。この2つが重なり合うとき、私たちは枯渇しかけた心に、生命維持に不可欠な純粋な燃料を注ぎ込むことができるのです。

論理や効率、成果ばかりが求められる社会の中で、私たちは無意識のうちに「役に立つかどうか」で物事を判断するようになりがちです。しかし、理屈では到底説明のつかない「好きだ」「美しい」「心が震える」という純粋な感情は、そうした社会の枠組みからあなたを解放し、本来の温かな自分へと戻してくれる最高の特効薬となります。

「この世界はまだ愛にあふれている」

この命のエネルギーの交差を、自らの人生を通じて体現した人物がいます。20世紀のアメリカにおいて、『サタデー・イヴニング・ポスト』誌の表紙を長年にわたり飾り続け、人々の日常の温かさや家族の絆を愛情豊かに描いて国民的な人気を博した画家、ノーマン・ロックウェル氏です。彼の描く作品は、感謝祭の食卓を囲む家族の笑顔や、子どもたちの無邪気な悪戯など、常にユーモアと優しさに溢れ、見る者の心をほっと和ませる不思議な力を持っています。

しかし、彼自身の実際の人生は、キャンバスに描かれたような平坦で完璧なものではありませんでした。彼は生涯にわたり深い心の葛藤と重度のうつ状態に苦しんでいました。二番目の妻メアリーは深刻なうつ病とアルコール依存症を患い、家庭内は常に緊張と悲しみに包まれていました。彼自身も絶え間ない不安やプレッシャーに押しつぶされそうになり、後年、「アイデンティティ」の概念を提唱したことで知られる著名な精神分析医エリック・エリクソンのもとへ長期間にわたりカウンセリングに通い続けたほどです。彼は、自らが描く「完璧に温かい家族」とは対極にあるような、脆く傷ついた現実を生きていたのです。

それでも彼は、自らの筆を通して世界の暗い部分や絶望をそのままキャンバスにぶつけることはしませんでした。彼は自伝の中で、「私は人生を、それがこうあってほしいと思うように描く(I paint life as I would like it to be.)」と語っています。彼がキャンバスに向かい続けた理由は、現実の自分には手の届かない、人々が互いを思いやり笑顔でつながり合う理想の世界を自らの手で創り出すためでした。現実が残酷で不完全だからこそ、彼は絵の中で「誰もが許され、愛される居場所」を必死に守り抜こうとしたのです。ノーマン・ロックウェル氏にとって表現とは、自らの傷ついた心を癒やし、欠落感を埋め、生命のエネルギーを前向きな光へと変換するための切実なセラピーであり、祈りそのものでした。

そして、彼が自らの痛みを代償にして全エネルギーを注ぎ込み、キャンバス上に現出させたその「理想の温かさ」は、時代を超えて無数の人々の心に届き、彼らの心を温め、絶対的な肯定感を与え続けています。見る者は、彼の作品の中に自分の居場所を見つけ、「この世界はまだ愛にあふれている」「私たちの小さな失敗や不器用さも許されているのだ」という安堵感を得るのです。

これこそが、命のエネルギーが交差する瞬間であり、心が壊れそうなときに私たちが受け取る最大の救いなのです。傷ついた作者が放った「こうであってほしい」「生きたい」「愛したい」という純粋で切実な祈りが、時を経てあなたの心と共鳴し、あなたの中にある生きる力や優しさを呼び覚ましてくれます。あなたが心から感動する作品の前に立つとき、そこには何の評価も判断も存在しません。ただ、あなたという人間が今そこにいて、美しいものを美しいと感じられる豊かな感性を持っているという事実だけが、優しく、そして力強く肯定されるのです。

日常の風景に美を見出し、感覚を呼び覚ますステップ

では、この温かな生命エネルギーの交差を、私たちはどのように日常へ取り入れていけばよいのでしょうか。私たちは日々、考え、判断し、何かを生み出し続けています。しかし、心がすり減っていくとき、それは「外へ向けて放ち続けること」に偏り、内側を満たす静かな受容が不足している合図です。だからこそ、思考をいったんほどき、感覚に還りながら、美しさをただ受け取る時間が必要なのです。

このプロセスは、段階的に進めていくことが大切です。まずは、多くの方が陥りがちな思い通りにいかない思考の癖を手放すことから始めます。美しいものに出会ったとき、私たちはつい「この作品の歴史的な意味は何だろう」「作者は何を伝えたかったのだろう」と、頭で正解を探そうとしてしまいます。しかし、知識で武装しようとすればするほど、心は緊張し、本来の純粋な感動から遠ざかってしまいます。ある方が、教養を深めようと有名な展示会に足を運んだものの、解説の文章ばかりを追いかけてしまい、帰る頃にはすっかり心が疲れ切ってしまったという経験をされていました。

転換点となるのは、「ただ感じるだけで、すべては完璧である」とご自身に許可を出した瞬間です。意味や理由を求める思考を一時的にお休みさせ、目の前にある色彩や造形が、ご自身の身体にどのような反応をもたらすかだけを観察するのです。胸の奥がじんわりと温かくなる感覚や、呼吸が深くなる感覚。それだけで、あなたのウェルビーイングは劇的に高まり始めます。

これを日常に落とし込むための具体的な方法として、このような実践をおすすめいたします。ご自宅にあるお気に入りの本や、何度も読み返している大切な小説を開く際、すぐに文字を読み始めるのではなく、ただ10秒間だけ、その紙の質感やページをめくる時のわずかな重みを指先でじっくりと味わってみてください。紙の匂いを感じ、それが一冊の物理的な存在としてあなたの手の中にあるという事実に意識を向けるのです。この極めてささやかな行動が、あなたの意識を常に先回りする思考から「今この瞬間」へと引き戻し、感覚を優しく呼び覚ます素晴らしいオアシスとなります。

生命エネルギーの回復

この「感覚への没入」を通じて、自らの疲弊した心を救い出した偉大な人物がいます。19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した、オーストリアの偉大な作曲家であり指揮者であるグスタフ・マーラー氏です。彼はオーケストラの指揮者として絶大な責任と重圧を背負い、音楽界の激しい競争や人間関係の摩擦の中で、常に心がすり減るような日々を送っていました。都会の喧騒と過酷な労働の中で、彼の魂は何度も壊れそうになっていたのです。

そんな彼が生命エネルギーを回復させるために行っていたのが、大自然という究極の表現の中に身を置き、感覚を完全に開くことでした。彼は休暇になると必ず美しい湖畔や深い森の中に建てた小さな作曲小屋へと足を運びました。オーストリアのアッター湖畔などに建てられたその小屋で、彼は楽譜や理論と格闘するのではなく、ただ森を長く歩き、三方の窓から見える大自然の風景を眺め、鳥の声、風の音、湖面の揺らぎを全身で受け止めたのです。彼にとって自然環境そのものが、自らを癒やし、新たな創造のエネルギーを与えてくれる至高の存在でした。

小動物や鳥のさえずりに合わせて歌い、自然との深いつながりの中で感覚を取り戻した彼は、再び生きる喜びに満ちた壮大な交響曲を世界に送り出すことができたのです。私たちも彼と同じように、身近な物理的感覚に没入することで、自らの心を救うことができます。毎日の生活の中で、窓から差し込む朝の光の温かさや、お茶の深い色合いを、ただありのままに受け取る時間を持つこと。それが、あなたの心を穏やかに保つための最強の守りとなります。

対話から生まれる、人生を変える温かな共鳴

表現を通じた生命エネルギーの交差は、時として私たち自身の内面との深い対話を生み出し、人生の軌跡を大きく変えるほどの温かな共鳴をもたらします。心が限界を迎え、何も信じられなくなったとき、私たちは美しいものとの対話を通じて、自らの奥底に眠っていた愛や希望を再び見出すことができるのです。

この深い対話と奇跡的な回復のプロセスを体現したのが、20世紀を代表するアメリカの偉大な写真家、エドワード・スタイケン氏のエピソードです。彼は長年にわたり、華やかなファッションの世界や社会の最前線で数々の素晴らしい写真を撮影し、多大な名声を得ていました。しかし、二度の世界的な争いを経験し、人類が互いを傷つけ合う悲惨な現実を目の当たりにしたことで、彼の心は深く傷つき、完全に壊れそうになってしまいました。人間の持つ残酷さに絶望した彼は、カメラを持つことさえできなくなり、表現の世界から距離を置いてしまったのです。

心を閉ざしてしまったエドワード・スタイケン氏が救いを見出したのは、彼自身の家の庭に立っていた、1本のシャドブローの木でした。彼は傷ついた心を抱えたまま、毎日その木の前に行き、ただじっと見つめる日々を送り始めました。春に芽吹き、夏に葉を茂らせ、秋に色づき、冬の寒さに耐える。その1本の木が、季節や気候、朝夕の光の変化の中で見せる無数の表情を、彼は数年という長い歳月をかけて撮影し続けたのです。

これは単なる植物の観察記録ではありませんでした。それは、傷ついた彼自身の魂と、命を巡らせる大自然との、言葉を持たない深い対話でした。木との対話を通じて、彼は次第に「どのような過酷な環境であっても、命は必ず光に向かって再生していく」という宇宙の普遍的な法則に気づき、彼自身の内面にあった深い絶望が、少しずつ温かな希望へと変わっていったのです。

この1本の木との対話によって完全に心を回復させたエドワード・スタイケン氏は、その後、写真の歴史に残る歴史的な展覧会を企画します。それが、世界中の人々の誕生、愛、労働、喜び、そして死といった普遍的な営みを集めた「ザ・ファミリー・オブ・マン(人間家族)」展です。彼が自然との対話で取り戻した「命への絶対的な肯定」は、この展覧会を通じて世界中を巡回し、実に900万人以上という驚異的な数の人々の心を揺さぶり、大きな行動の変化と平和への祈りをもたらしました。

自己との対話とアートの力

私たちもまた、日々の生活の中でこれと同じような対話のプロセスを経験することができます。世界的アーティストであるBTSのリーダー・RM氏(本名:キム・ナムジュン)は、グローバルスターとしての計り知れないプレッシャーや葛藤の中で心を見失いそうになったとき、美術館を訪れ、静かに作品の前に立ち止まる時間を大切にしています。

彼は特に、韓国の単色画(ダンセクファ)の巨匠である抽象画家ユン・ヒョングン(尹亨根)氏の作品に深く傾倒しています。ユン氏は、戦争や不当な投獄といった過酷な人生を歩みながらも決して自己の尊厳を失わず、その怒りや悲しみを暗褐色の絵の具を幾重にも重ねることで、美しく気高い抽象画へと昇華させた画家です。RM氏は自身のソロアルバムの1曲目を『Yun』と名付け、ユン氏の「芸術をやる前に、まず人間になれ」という哲学を引用するほど、彼の生き方と表現に共鳴しています。

RM氏は、心が疲弊しているときや葛藤を抱えているとき、ユン氏の作品の前に立ち、心の中で絵と対話をするそうです。「どうか僕に少し勇気をください」と語りかけるその時間は、彼にとって、偶像としての重圧から離れ、等身大の「ただの一人の人間キム・ナムジュン」に立ち返るための大切な儀式なのです。キャンバスに込められた「怒り、悲しみ、複雑さ、そして美しさ」に自らの感情を重ね合わせることで、彼は自らの弱さをも許容し、心の静けさを取り戻していきます。

表現との深い対話を通じて、RM氏は「作品からオーラを感じて、もっといい人間になろう、もっといい大人になろうと思う」と語っています。彼のように、忙しない日常の中でふと立ち止まり、時代を超えて残る表現を鏡として自分の内面を映し出すことは、痛みを乗り越える強さと、他者や自分に対する寛容さを育む素晴らしい実例です。美しいものとの言葉のない対話は、あなたの中に眠る最も純粋な愛や感性を呼び覚まし、人生を根本から温かく変えていく力を持っています。

完璧を手放し、自らの感覚を信じ切るために

アートとウェルビーイングの豊かな関係を日常に取り入れていく過程で、多くの方が無意識のうちに見落としてしまう点が存在します。これらの視点を優しく紐解くことで、あなたの心はさらに自由に、そして軽やかに空へと羽ばたくことができるはずです。

まず、多くの方が抱きがちなのが「自分には専門的な知識がないから、正しく鑑賞できないのではないか」という思い込みです。心が救われる仕組みを知ろうと検索をして調べたとき、しばしば脳科学のデータや美術史の複雑な解説に行き着き、かえって敷居が高く感じてしまうことがあります。

しかし、ここまでお話ししてきたように、最も大切なのは知識ではなく、あなたの心が「美しい」と感じた事実そのものです。道端に咲く名もなき花の色に心を奪われる瞬間も、世界的な名画の前に立ち尽くす時間も、そこに発生する命の喜びのエネルギーに一切の優劣はありません。あなたの心が微かに高鳴ったのなら、それはあなたがその作品と完璧に共鳴した証拠なのです。

また、「心の豊かさを高めるためには、常に前向きで、一切落ち込まない完璧な状態を維持しなければならない」と思い込んでしまう方もいらっしゃいます。しかし、悲しみや迷い、怒りといった複雑な感情を持つことは、あなたが人間として深く豊かに生きている証です。それらの感情を無理に消し去るのではなく、美しい表現を通じて安全に受け止め、優しく浄化していくことこそが、本当の意味での心の調和をもたらします。

ここで、オーストリアの表現者であり、建築家としても活躍したフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏の深い愛に満ちた言葉をご紹介いたします。

「自然との平和条約」

彼は、この言葉をそのまま題名にした素晴らしい木版画の作品を残しています。この哲学が生まれた理由は、彼が急速な近代化や効率化によって人々が自然から切り離され、心が疲弊していく社会に対して深い憂慮を抱いていたことにあります。彼は人間が定規で引いたような無機質な直線を避け、生命力に溢れる有機的な曲線と色彩を多用した建築を生み出しました。

自然の形に完璧な直線が存在しないように、私たちの心にも「常に正しく、完璧でなければならない」という直線を引く必要はないのです。いびつであっても、揺らぎがあっても、それが自然であり、生命の美しい姿です。完璧さを手放し、ご自身の感覚の揺らぎをそのまま肯定することが、最大の救いとなります。ご自身の心が感じたことを、誰の評価も気にすることなく、ただ両手で優しく抱きしめてあげてください。

命の輝きを取り戻す、あなたへのささやかな招待状

ここまで、心が壊れそうなときに美しい表現が私たちを救ってくれる理由と、その深い仕組みについてお話ししてまいりました。この記事の大切な視点を3つに集約いたします。

1つ目は、「交差する命のエネルギー」です。表現とは物質ではなく、作者の祈りとあなたの心が響き合う温かな空間であり、それが生きる力となります。2つ目は、「日常の美への没入」です。理屈を手放し、目の前にある色彩や質感にただ身を委ねることで、すり減った感覚は優しく回復していきます。3つ目は、「絶対的な自己肯定」です。完璧さを求めず、ご自身の心が何を感じたかを無条件に受け入れることで、ウェルビーイングは飛躍的に高まります。

これらの視点を日常に落とし込むための、今すぐにできる小さな行動の具体案を1つご提案いたします。雨の日に外出される際、傘を開く前にただ5秒間だけ、傘の持ち手(ハンドル)を両手でしっかりと握り、その木や素材の質感、そして手のひらに触れるなめらかな曲線をじっくりと味わってみてください。雨という自然の恵みを受け入れる前に、ご自身の指先から伝わる確かな物理的感覚に意識を集中させるのです。この極めてささやかな行動が、あなたの意識を今この瞬間に引き戻し、生命のエネルギーを優しく循環させてくれます。

そして、イギリス生まれの作家、マージェリー・ウィリアムズ氏が残した、世界中で愛される名作童話『ビロードのうさぎ』の中の素晴らしい言葉をお届けします。

「子どもに心から大切に、大事に思われたおもちゃは、本物になることができる」

この言葉は、主人公であるおもちゃのうさぎが、自らの存在意義に悩みながらも、持ち主である子どもの深い愛情を通じて、やがて「本物の命」へと変わっていくという奇跡の物語の中で語られます。これは私たち人間にも同じことが言えます。私たちが美しい表現に心惹かれ、対象を愛をもって見つめるとき、私たち自身の心もまた、愛というエネルギーを受け取り、本物の命の輝きを取り戻していくのです。愛を持って世界を見つめることは、ご自身の命を最高に輝かせることと同義なのです。

最後に、日本国内にある、心と体を深く癒やしてくれる素晴らしい場所をご紹介いたします。長野県長野市に位置する「長野県立美術館」です。周囲の豊かな自然と見事に調和する「ランドスケープ・ミュージアム」という概念のもと、建築家の宮崎浩氏によって設計されたこの美術館は、訪れる人の心を優しく解きほぐしてくれます。敷地内の高低差を美しく活かした開放的な建築は、町の象徴である善光寺や、遠くにそびえる信州の雄大な山々と一体化し、息を呑むほどの美しさを誇ります。

とくに素晴らしいのは、本館と隣接する施設をつなぐ「水辺テラス」です。そこでは中谷芙二子氏による霧の彫刻が展開され、時間や風向きとともに刻一刻と変化する幻想的な風景が生み出されます。また、谷口吉生氏が設計した隣接する東山魁夷館へと自然に足が向くように作られており、建築の隙間から差し込む光の揺らぎや、水盤に反射する自然光が、言葉にできないほどの安らぎを与えてくれます。自然の息吹と人間の創造物が完璧に調和したこの場所は、心が疲れたときに訪れるべき、最高のオアシスとなることでしょう。

最後に、あなたへ大切なメッセージをお伝えします。

 

愛と使命を両立するあなたへ。

私たちがこの世に生まれてきた理由は、

決して苦しんだり、人を恨んだり悲しんだり、傷つけ合ったりするためではありません。

命とは、喜びを味わうために生まれてきたものです。

命の温かさを感じ、知り、「生きててよかった」とほっとして、安心してニコニコ笑うために生まれてきたのです。

私たちは、絶対的に今世の命を楽しむべきなのです。

『愛のある場所でこそ、人は生きる力を得る。』

『人生とは、喜びという宝物を探す旅である。』

『温かな感情は体温を上げ、人を幸せへ導く。』

どうぞ忘れないでください。

『あなたは、神様がつくった最高傑作』です。

あなたの命が、これからも喜びというパワフルなエネルギーで満たされ、温かな笑顔とともに輝き続けることを心から願っています。

私は、「人は幸せになるためにのみ、この世に送り出された」という揺るぎない確信を持ったアーティストです。

愛や喜びは、抽象的な概念などではなく、私たちの「生命維持に不可欠な根源」だと考えています。

だからこそ、私のアートやメッセージには、あなたの存在そのものを絶対的な価値として全肯定するエネルギーを込めています。

あなたがいつも、大いなる愛と光に守られていますように。

そして、あなたの大切な命の時間が、たくさんの幸運と共にありますように。

 

nao

【参考情報、引用元】

  • こここ(表現×ケア×テクノロジーのこれからを考える「Art for Well-being」が福祉施設と協働する技術者を募集中。6月15日まで | こここ)
  • PR TIMES(【アーツカウンシル東京】クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー「だれもが文化でつながるオータムセッション2025」開催決定!)
  • 東北芸術工科大学(ART AND WELL-BEING AT THE ONSEN AREA|温泉地を舞台にした持続可能な「アート&ウェルビーイング」人材育成プログラム)
  • 東北芸術工科大学(文化庁補助事業:温泉地を舞台にした持続可能な「アート&ウェルビーイング」人材育成プログラム【受講無料】)
  • 塚田三千代(『モディリアーニ 真実の愛』 原題 Modigliani 2005)
  • note(瞳の奥の、もう一人のあなたへ。モディリアーニ 《おさげ髪の少女》が照らす、魂の肖像画)
  • ARTELIER(ノーマン・ロックウェルとは?来歴や作風、エピソード、代表作品まで詳しく解説します!)
  • Smithsonian Magazine(Inside America's Great Romance With Norman Rockwell)
  • WUNC News(Behind Rockwell's Idyllic America, There Were A Lot Of Therapy Bills)
  • Connecticut Public(How Norman Rockwell's Relationship With Erik Erikson Influenced His Work)
  • 千葉フィルハーモニー管弦楽団(グスタフ・マーラー (1860~1911)交響曲第3番 ニ短調)
  • 直言(直言(2025年5月30日)雑談(150)音楽よもやま話(36)マーラー交響曲第3番とその「作曲小屋」のこと)
  • T JAPAN(BTSのリーダーRMの新たな情熱 ーー母国のアートを支援する)
  • KBS World(BTS・RMの次なる挑戦…「所蔵している作品を見せる場を作る」)
  • ARTnews JAPAN(BTSのRMに単独インタビュー。スーパースターが語るアートへの深い愛、初心者へのアドバイス)
  • 東洋経済オンライン(BTSのRM語る「アート業界のために僕ができる事」 アートの世界でも一目置かれる存在に)
  • KBS World(BTSのリーダーRM、「ニューヨーク・タイムズ」とインタビュー…「芸術の後援者」として注目される)
  • シバヤマ(フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー「自然との平和条約」木版画)
  • 楽天ブックス(ビロードうさぎ - マージェリー・ウィリアムズ)
  • 城陽市立図書館(ビロードのうさぎ - 資料詳細)
  • BRUTUS.jp(建築家・工藤桃子が案内する〈長野県立美術館〉。名建築と自然、作品の競演を体感)

 

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