制作と想い The Sacred Forest — What Shrine Forests Have Protected 神社を囲むように広がる森を「鎮守の森(ちんじゅのもり)」と呼びます。田んぼの真ん中に、こんもりと緑の島のように残っていることがあります。小さな森が、守ってきたもの鎮守の森は、参道や社殿を取り囲む森です。何百年も伐られずに残ってきたため、その土地に本来生えるはずの木々や、めずらしい苔、粘菌などが生きています。伐ってしまう...
制作と想い 絵馬のこと ― 生きた馬から、板に描く願いへ 神社で、木の板に願いを書いて掛ける「絵馬(えま)」。あれは、アートと祈りが重なる、いちばん身近な場所かもしれません。もとは、生きた馬だった古くから、神様は馬に乗って人の世界へ降りてくると考えられ、神社に納める神聖な馬を「神馬(しんめ)」と呼びました。奈良時代ごろには、祈願のために生きた馬を奉納する習わしがありました。『...
制作と想い 伊勢神宮の式年遷宮と「常若」 ― つくり続けることで、保つ 伊勢神宮では、20年に一度、社殿をそっくり新しく建て替えます。式年遷宮(しきねんせんぐう)と呼ばれる行事です。「古いものを大切にする」のとは、少し違う考え方です。常若(とこわか)という考え方式年遷宮の根っこにあるのが「常若」です。伊勢神宮によれば、常若とは、神の勢いを瑞々(みずみず)しく保とうとする考え方だとされていま...
制作と想い Izumo-taisha and 'Musubi' ― Enmusubi Isn't Just About Romantic Love 島根県の出雲大社は、「縁結びの神社」として知られています。ただ、この「縁」は恋愛だけの話ではありません。「むすび」の力出雲大社の主祭神は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)です。出雲大社によれば、大国主大神が結ぶ縁は、男女のご縁だけでなく、人を取り巻くあらゆるつながりのご縁だとされています。神話では、天照大御神が大国...
制作と想い 斎藤茂吉さんゆかりの山形をたどる ― 上山・金瓶と、大石田 わたしが住む上山市は、歌人・斎藤茂吉さんが生まれた土地です。金瓶(かなかめ)という集落に生家があります。茂吉さんの足あとは上山だけでなく、最上川ぞいの大石田町にも残っています。歩いて回れる範囲で、たどってみます。なお、2028年前期のNHK連続テレビ小説「ほんのモキチ」(脚本・宮藤官九郎さん、主演・河合優実さん)は、茂...
制作と想い 斎藤輝子さんのこと ― 旅することを愛した人 歌人・斎藤茂吉さんの妻、斎藤輝子さん(さいとう てるこ)さん。上山市ゆかりの人です。茂吉さんの陰にかくれがちですが、輝子さん自身が、とても自由な人だったと伝えられています。年を重ねてからの旅の話が中心になります。なお、2028年前期のNHK連続テレビ小説「ほんのモキチ」(脚本・宮藤官九郎さん、主演・河合優実さん)は、こ...
制作と想い 斎藤茂吉さんと上山 ― 金瓶に生まれた歌人のこと わたしが住む上山市には、歌人・斎藤茂吉さん(さいとう もきち)の生まれた土地があります。金瓶(かなかめ)という集落です。2028年前期のNHK連続テレビ小説「ほんのモキチ」で、この茂吉さんと妻・輝子さん(てるこ)夫妻がモデルになると発表されました。この山形の、それも上山にゆかりの人が朝ドラの主人公になる。同じ上山に暮ら...
制作と想い 企業とアート ― 飾ることは、理念を見えるようにすること 会社やお店にアートを飾る、という取り組みが少しずつ広がっています。わたしは法人からの絵のご依頼も受けているので、この動きには関心があります。メセナ ― 企業が文化を支える企業が文化や芸術を支援することを「メセナ」と呼びます。音楽や演劇、伝統芸能、建築や映像、文化遺産の保護など、支援の対象はさまざまです。いまでは多くの企...
制作と想い ヒュッゲのこと ― 冬が長い国の、暮らしのウェルビーイング デンマークに「ヒュッゲ(hygge)」ということばがあります。ウェルビーイングを考えるうえで、よく引き合いに出される考え方です。心地よい時間、居心地のいい空間ヒュッゲは、デンマーク語で「心地よい時間」「居心地のいい空間」を指します。人とのつながりから生まれる、ほっとした幸福感、という意味あいです。このことばが使われるよ...
制作と想い 浮世絵とジャポニスム ― 庶民の版画が、西洋の絵画を変えた 江戸時代の日本で、庶民が買っていた木版画があります。浮世絵です。この日本のローカルな絵が、海を渡って西洋の絵画を変えました。北斎、広重、歌麿「神奈川沖浪裏」の大きな波で知られる葛飾北斎。「東海道五十三次」「名所江戸百景」で宿場や町の景色を描いた歌川広重。美人画の喜多川歌麿。浮世絵は、風景、役者、暮らし、遊び、そのときの...