
『受け継がれた光は、未来の空へ響き続ける。』
私たちは皆、幾世代もの願いを受け継ぎ生まれてきた光です。悲しみも喜びも、出会いも別れも、すべては魂が本来の輝きを思い出すための天の計らい。誰かを想った愛も、これまで生きてきた記憶も、この世界に放った優しさも、決して消えることはありません。それらは光の粒となり、時を駆け巡りながら、未来へと広がってゆきます。
作品に込めた想い
この作品を描きながら、私の心にずっと浮かんでいたのは、「人が誰かを想う心は、未来へ受け継がれていく光となる」という想いでした。
これまで大切に育まれてきたご縁や、誰かを想う温かな心、その生き方から生まれた優しさは、きっと多くの方の心に残り、これから先も静かに広がり続けていくのだと思います。人と人との間に生まれる愛や感謝、そして世代を超えて受け継がれていく希望。この作品が、これまで歩んでこられた道のりや、出会われた大切な方々とのご縁や思い出、たくさんの笑顔を思い出すきっかけとなり、また明日への活力を育む一枚となれましたら幸いです。
コンセプト
「誰かを想う心を大切に生きてきた方」「自分の人生が誰かの未来へつながっていることを信じる方」へ。
私たちは決して一人で生きているのではなく、数えきれないほどの愛や願い、記憶を受け継ぎながら人生を歩んでいます。その目には見えないつながりと、人から人へ受け継がれていく光を、この一枚に表現しました。
技法・色彩・表現
黄緑、黄金色、淡い桜色を中心とした色彩を幾重にも重ねながら、光が空間へ溶け込み、広がっていく感覚を表現しています。あえて明確なモチーフを描かず、色彩そのものを言葉の代わりとして用いることで、鑑賞してくださる方それぞれの記憶や感情が、自由に重なり合う余白を残しました。画面に広がる無数の色彩の粒子は、人が人生の中で出会った愛、感謝、記憶、そして願いを象徴しています。それらは互いに響き合いながら、未来へと静かに広がり続けています。
制作にあたって
私は、アートには人の心の体温を上げる力があると信じています。現代社会では成果や効率が重視される一方で、人と人との温かなつながりや、目には見えない優しさが忘れられがちです。けれど、本当に人を支えるものは、誰かを想う心や、受け取った愛を次の誰かへ手渡していく営みではないでしょうか。
この作品で表現したかったのは、「人の人生は、一人で完結するものではない」ということです。私たちが誰かへ向けた優しさは、やがて別の誰かの希望となり、さらに未来へと受け継がれていきます。ご覧になる方それぞれの心にある光や、これまで出会った大切な人々を思い出すきっかけとなれば幸いです。
制作中、繰り返し心に響いていた言葉があります。
「人の幸せを願える人は、絶対に成功する人だよ。」
そして、こんな一節も浮かんできました。
『日の光まさにこの地に降り注ぎ この光も万代にわたり 我々を灯し照らし続けるだろう 今日、今がその時である』
光を信じたときに、命はそこから本当に始まるんだよと、教えてくれるようなあたたかいメッセージでした。
光を信じた瞬間、魂は己の翼を思い出す。そしてその羽ばたきは、喜びの音色となって、未来の空へ響き続けます。
ご依頼をいただき制作した、思い出深い一枚です。同じ作品を再びお届けすることはできませんが、パーソナルオーダーアートでは、お一人おひとりとの対話を通して、あなただけの一枚を描かせていただきます。作品のご利用について
この作品にまつわる、読みもの
翼をもつ馬、ペガサス
ペガサス(ペガソス)は、ギリシア神話に登場する、翼をもつ白い馬です。英雄ペルセウスが怪物メドゥーサを倒したとき、その体から生まれたと語られています。
のちにペガサスは、英雄ベレロフォンを背に乗せて、怪物キマイラ退治を助けます。そして最後には天へとのぼり、星座になったと伝えられています。秋の夜空に見える「ペガスス座」です。ペガスス座の4つの明るい星がつくる大きな四角形は「秋の四辺形」と呼ばれ、秋の星さがしの目印になっています。
ひづめから湧いた、詩の泉
ペガサスには、もうひとつ美しい物語があります。
芸術や学問をつかさどる女神たち、ムーサ(ミューズ)が住むヘリコン山で、ペガサスがひづめで地面を打つと、そこから泉が湧き出しました。この泉は「ヒッポクレーネ(馬の泉)」と呼ばれ、その水を飲むと詩の霊感が得られると信じられてきました。
ヨーロッパでは、ペガサスは詩や芸術のインスピレーションの象徴として、多くの絵画や彫刻、紋章に描かれてきました。翼をひろげて空を駆ける姿は、地上の重さから自由になって、想像の世界へ飛び立つ心そのものです。
受けつがれた光は、未来の空へ
この作品《喜びを奏でる命の歌》には、「受け継がれた光は、未来の空へ響き続ける」という言葉を添えています。
わたしたちは、ひとりで生きているのではなく、数えきれないほどの愛や願い、記憶を受けつぎながら生きています。だれかを想った愛も、これまで生きてきた記憶も、この世界に放ったやさしさも、決して消えることはありません。それらは光の粒となって、空へと響き続けていきます。
色を、言葉のかわりに
この作品では、あえてはっきりした形を描かず、黄緑、黄金色、淡い桜色を幾重にも重ねました。色そのものを言葉のかわりにすることで、見る人それぞれの記憶や想いが、自然と重なっていくように。
ペガサスのひづめから詩の泉が湧いたように、この絵の前で、あなたの中から何かがあふれ出すことがあったら、うれしいです。
【参考にした情報・引用元】
ヘシオドス『神統記』
国立天文台(ペガスス座・秋の四辺形)
コトバンク(ペガソス/ヒッポクレネ)

