
『宿縁を糧とし、本懐を遂げよ。』
私たちは答えを探すために生まれてきたのではない。正しさだけを選び、傷のない姿でいるためでもない。万象は巡り、転ずる。すべてを経て息づくその命は、いま、何に応える。あなたにしか歩めない道を。あなたにしか宿せぬ光を。その命だけが知る願いを、いま、この地に還せよ。
作品に込めた想い
人生の転換点に立ち、自らの可能性が大きくひらこうとしている方へ。これまで積み重ねてきた記憶や経験、その命の時間すべてが、すでに輝きであり、尽きることのない源泉であることを描いた作品です。
コンセプト・背景
歓びも、悲しみも、出会いも、別れも、成功も、挫折も。命に刻まれたすべての出来事は、互いに紡がれながら、新たな意味を生み、常に輝きを深めていきます。生きていたら、時に自分を見失うこともあるでしょう。それでも命とは、経験を重ねるほど光を失うものではなく、むしろ輝きを増幅させることができる存在だと信じています。
技法・色彩・表現
画面の中心には、様々な色をした、様々な光柱が四方八方に立ち昇ります。その光はとどまることを知らず、無数の光を放ち続けています。黄色や金色を中心に、炎やオーロラを思わせる色彩を重ねることで、生命のエネルギーが絶えず循環し、広がり続けていく様子を表現しました。それは一点から世界へ広がる現象ではなく、無数の光が互いに反射し合いながら増幅していく生命そのものです。
制作にあたって
命そのものが持つ底知れぬ力を描きたいと願いました。人は苦しみや喪失によって壊れてしまう存在ではなく、たとえ今なおそれらを抱えながらでも、その命は決して輝きを失うことはありません。
一人の命が放つ光は、誰かの命へ反射し、その人の光はさらに別の誰かへと受け継がれていく。この作品は、闇夜を打ち破る一筋の光を描いたのではなく、命そのものが世界を彩る光景を描いています。
同じ作品を再びお届けすることはできませんが、パーソナルオーダーアートでは、お一人おひとりとの対話を通して、あなただけの一枚を描かせていただきます。作品のご利用について
この作品にまつわる、読みもの
オーロラは、なぜ光るのか
この作品の光の柱には、炎やオーロラを思わせる色を重ねています。
オーロラは、太陽から吹き出す電気をおびた粒子の流れ(太陽風)が、地球の磁場に導かれて北極や南極の近くの空に入りこみ、上空の酸素や窒素とぶつかることで光る現象です。高さ100〜200kmあたりでは緑色に、さらに高いところでは赤く光ります。夜の空に、カーテンのように光がゆれ動く姿は、昔から世界中の人々をひきつけてきました。
2024年5月、日本の空にもオーロラが
ふだん、日本でオーロラを見ることはほとんどありません。けれど2024年5月11日の夜、大きな太陽フレアによる磁気嵐が起き、北海道をはじめ、日本の各地で赤紫色の「低緯度オーロラ」が観測されました。
国立極地研究所などの研究グループは、このとき市民が日本各地で撮った179枚のオーロラの写真を分析しました。その結果、ふだんよりはるかに高い、上空約1,000kmあたりまでオーロラが光っていたため、遠く離れた地域からも見えたことがわかりました。また、赤ではなくマゼンタ色に見えたのは、太陽の光が散らばった青い光と重なっていたためだと説明しています。
たくさんの人が空を見上げ、写真を撮り、その一枚一枚が集まって、新しい発見につながりました。
闇があるから、光が見える
オーロラは、昼間の明るい空では見えません。夜の闇が深いほど、その光ははっきりと見えます。
この作品《闇夜貫く、命の光》には、「宿縁を糧とし、本懐を遂げよ」という言葉を添えています。喜びも、悲しみも、出会いも、別れも。命に刻まれたすべての出来事は、光を失わせるものではなく、輝きを深めていくもの。夜の空を照らすオーロラのように、経験を重ねるほど、命の光は強くなっていくと信じています。
一点からではなく、無数の光から
画面の中心からは、さまざまな色の光の柱が四方八方に立ちのぼっています。それは、一点から世界へ広がる光ではなく、無数の光が互いに反射し合いながら強くなっていく姿です。
夜空を見上げた人たちの写真が集まって、オーロラの秘密が明らかになったように。一人ひとりの光が重なるとき、闇夜を貫く大きな光になるのだと思います。
【参考にした情報・引用元】
国立極地研究所・統計数理研究所ほか(2024年5月11日の低緯度オーロラに関する研究成果、2024年10月)
ウェザーニュース(太陽フレアに伴う磁気嵐で「低緯度オーロラ」が出現、2024年5月)

