
『君の五感は、君が何者かを教えてくれるもの。だから他人の五感じゃだめ。君は君の感覚を忘れちゃいけないし、失ってもいけない。』
自分の感情や正義に迷うとき、あるいは他者との違いに疲れてしまったとき。そんな方の心に、調和と自己受容の光をそっと流したいと願いながら描いた一枚です。
作品に込めた想い
自分の感情や正義に迷う方、他者との違いに疲れた方へ。相反するものを包み込み、心の内側に調和と自己受容の光を流すエネルギーを込めました。
正義を振りかざせば悪となり、悪の中にも正義が潜む。そんな世界で、いくつもの「正義」が交わり溶け合う場所に、平和が生まれるように――という祈りを込めて制作しました。
コンセプト・背景
この作品は、自分の中にある「盾」と「矛」、つまり自分を守る力と、自分の真実を貫く力の両方をテーマにしています。どちらか一方だけでは足りません。相反するふたつを自分の中に併せ持つこと、そしてどんな自分も間違いじゃないと思えることこそが、本当の調和への一歩なのだと思います。
制作にあたって
このアートを観た方が、どんな自分も間違いじゃないと、心がふっとゆるみ、安心とあたたかさに包まれますように。
同じ作品を再びお届けすることはできませんが、パーソナルオーダーアートでは、お一人おひとりとの対話を通して、あなただけの一枚を描かせていただきます。作品のご利用について
この作品にまつわる、読みもの
「矛盾」という言葉の由来
この作品の名前《盾と矛》は、「矛盾(むじゅん)」という言葉のもとになった故事からとっています。
中国の戦国時代の思想書『韓非子(かんぴし)』に、こんな話があります。楚の国の人が、盾と矛を売っていました。「この盾はとても堅く、どんなものも突き通せない」と自慢し、さらに「この矛はとても鋭く、どんなものでも突き通せる」と言いました。するとある人が、「では、その矛でその盾を突いたらどうなるのか」とたずね、売り手は答えられなかった、という話です。
ここから、つじつまが合わないことを「矛盾」と呼ぶようになりました。
人は、矛盾を抱えて生きている
守りたい気持ちと、進みたい気持ち。人とつながりたい気持ちと、ひとりでいたい気持ち。わたしたちの心の中には、いつも盾と矛のように、正反対の気持ちが同時にあります。
この作品は、自分の感情や正義に迷うとき、あるいは他者とのちがいに疲れてしまったときのための一枚です。矛盾を抱えていることは、まちがいではありません。それは、心が豊かに動いているしるしなのだと思います。
五感は、あなたが何者かを教えてくれる
この作品には、「君の五感は、君が何者かを教えてくれるもの。だから他人の五感じゃだめ」という言葉を添えています。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。人の感覚を五つに分ける考え方は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスにさかのぼるといわれます。同じ景色を見ても、同じ音楽を聴いても、感じ方は人それぞれ。何を美しいと思い、何に心が動くのか。その感覚こそが、あなたがあなたである理由です。
自分の感覚を、手ばなさないで
ほかの人の意見や正しさにふりまわされそうになったとき、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の心で感じたことを、思い出してください。
盾も矛も、どちらもあなたの大切な一部です。この絵が、あなたが自分の感覚を信じるための、そっとした支えになれたらうれしいです。
【参考にした情報・引用元】
『韓非子』難一篇
アリストテレス『魂について(デ・アニマ)』

