制作と想い アンデルセンと人魚姫 ― 声を手ばなす話と、その反対のこと わたしは作家名に「Mermaid(人魚)」を使っています。だから『人魚姫』を書いたアンデルセンのことは、たびたび考えます。人形芝居で遊んでいた子どもアンデルセンは、デンマークのオーデンセという町の、貧しい家に生まれました。夢見がちで友達も少なく、家にこもって人形芝居で遊んでばかりいた子どもだったと伝えられています。成長...
制作と想い ガネーシャのこと ― はじめの一歩の邪魔を、取りのぞく神 インドで、いちばん親しまれている神様のひとりがガネーシャです。象の頭を持つ姿で描かれます。障害を取りのぞく神ガネーシャは、目の前の障害を取りのぞき、成功と幸運をもたらす神とされています。とくに「新しいことを始めるとき」に祈られます。インドでは、儀式や事業のはじめに、まずガネーシャに手を合わせる習慣があります。知恵と学問...
制作と想い 猿田彦のこと ― 分かれ道に立って、方向を示す神 神社で「道開きの神」として案内されているのを、よく見かける神様がいます。猿田彦(さるたひこ)です。新しいことを始めるときにお参りする、という人も多い神様です。天から降りる神を、道案内した猿田彦は、古事記と日本書紀の両方に出てきます。天照大神の孫であるニニギノミコトが地上に降りるとき(天孫降臨)、その道案内をつとめた、と...
制作と想い 国宝「縄文の女神」 ― 舟形町の土から出た、4500年前のかたち 山形県舟形町から出土した土偶に、「縄文の女神」があります。国宝に指定されている土偶で、わたしが山形の「かたちの美しさ」を考えるときの原点のひとつです。4500年前の、45センチこの土偶は、舟形町の西ノ前遺跡で見つかりました。縄文時代の中期、いまからおよそ4500年前のものです。高さは45センチ。土偶としては日本最大級で...
制作と想い 上杉鷹山 ―「なせば成る」で米沢藩を立て直した藩主 山形県米沢市に、上杉鷹山(うえすぎ ようざん)という江戸時代の藩主がいました。破産寸前だった米沢藩を立て直した人として知られています。借金でつぶれかけた藩を継ぐ鷹山が米沢藩を継いだのは1767年、17歳のときでした。当時の藩の借金は20万両にのぼり、幕府に領地を返そうか、という議論が本気でなされるほど追いつめられていま...
日々のこと 烏帽子山八幡宮へ ― 町の人が、桜と祈りで立て直した場所 今日、南陽市赤湯にある烏帽子山八幡宮(えぼしやま はちまんぐう)へ行ってきました。桜で知られる場所ですが、この季節の静かな境内もよかったです。町の人が、つくった神苑この神社と、まわりの烏帽子山公園には、由来があります。明治のはじめ、赤湯は火事と疫病がつづき、温泉町のにぎわいが失われていました。そこで地元の有志が講を組織...
制作と想い 村川千秋さんと山形交響楽団 ―「ふるさとの山形にオーケストラを」 山形県には、東北で最初のプロのオーケストラ「山形交響楽団(山響)」があります。これを立ち上げたのが、指揮者の村川千秋さん(むらかわ ちあき)さんです。「ふるさとの山形にオーケストラを」村川千秋さんは1933年、山形県村山市に生まれました。東京藝術大学で学んだあと、1963年にアメリカへ渡り、インディアナ大学の大学院で指...
日々のこと 黒ごまときなこと、続けている小さいこと 続けている小さな習慣の話です。わたしは黒ごまと、きなこを、わりとよく食べます。黒い粉と、茶色い粉黒ごまは、すって、ごはんやおひたしにかけます。きなこは、牛乳や豆乳に混ぜたり、餅にまぶしたりします。どちらも、常に台所に置いてあります。これといった理由があって始めたわけではありません。気づいたら習慣になっていて、切らすと落...
日々のこと 金魚と暮らすこと ― 水を替えて、眺める時間 家に、金魚とタニシがいます。特別な種類ではなく、ごくふつうの金魚です。水を替える金魚の世話でいちばん多いのは、水を替えることです。濁るまで放っておくことはしないので、こまめに少しずつ替えます。水温や、餌の量にも気をつけます。手間といえば手間ですが、慣れてしまえば数分で終わります。朝や夜の決まった時間に体が動くようになる...
制作と想い 香港・黄大仙のこと ― 「有求必応」と、願いを向ける先 香港に「黄大仙(ウォンタイシン)」という道教のお宮があります。「求めれば必ず願いが叶う」とされ、年間およそ300万人が訪れる、香港でいちばん大きなお宮です。病気平癒から、あらゆる願いへ黄大仙祠は、正式には嗇色園黄大仙祠といいます。本尊は黄初平(こう しょへい)という、晋の時代の仙人です。道教だけでなく、仏教の観音菩薩、...