ラクシュミーとサラスヴァティー ― 弁天様のふるさとをたどる

日本で親しまれている弁才天(弁財天)と吉祥天は、もとをたどるとインドの女神です。芸術と学問、豊かさをつかさどる神様です。

サラスヴァティー ― 芸術と学問の女神

サラスヴァティーは、ヒンドゥー教で知識、学問、芸術、詩歌、音楽、言語をつかさどる女神です。もとはサラスヴァティー川という聖なる川の化身とされています。手にはヴィーナという弦楽器を持っています。

仏教が中国を経て日本に伝わったとき、「金光明経」というお経の中で、国を守る神の一柱として紹介され、「弁才天」となりました。琵琶を持つ姿は、ヴィーナの楽器がかたちを変えたものです。

ラクシュミー ― 豊かさと幸運の女神

ラクシュミーは、ヴィシュヌ神の妻で、富や幸運、豊かさをつかさどる女神です。蓮の花の上に立つ姿で描かれます。

このラクシュミーが日本に伝わって「吉祥天」になりました。吉祥天への信仰は、奈良時代以降に盛んになりました。

祖母の日本画
芸術をつかさどる神様は、川や音楽と結びついています ― Photo by Mermaid nao

芸術の神様が、川や音と結びついている

サラスヴァティーが川の化身であり、楽器を持っている、というのは興味深いことです。芸術が、流れるもの、鳴りひびくものと同じ仲間に置かれています。

絵は止まって見えますが、描くことは時間のかかる行為で、見る側も時間をかけて受け取ります。芸術を「流れ」としてとらえる感覚は、制作をしていると納得できるものがあります。

遠いインドの女神が、名前とかたちを変えながら日本の弁天様になっている。祈りやイメージが、国境を越えて受け継がれていくことにも惹かれます。

Mermaid nao のオーダーアートも、あなたの中を流れているものを、一枚にとどめる仕事だと考えています。


[References]

ウィキペディア(サラスヴァティー)
奥田みき・光の幻想アート(吉祥天とは豊穣の女神|ラクシュミーや毘沙門天との関係を探る)
waqwaq(サラスヴァティ、日本では弁財天/ラクシュミー、吉祥天)


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