
山形県には、出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)があります。その奥の院にあたるのが、湯殿山です。ここには「語るなかれ、聞くなかれ」という古い言い伝えがあります。
見たことも、聞いたことも、口にしない
湯殿山神社の本宮では、参拝で見聞きしたことを外で話してはいけない、とされてきました。人に尋ねることもしません。だからこの記事でも、中で何があるのかは書きません。
参拝には作法があります。撮影は禁止で、裸足になって進み、お祓いを受けてからお参りします。ご神体は社殿ではなく、温泉が湧き出している大きな岩だ、とだけ伝えられています。
湯殿山は標高およそ1500メートル。修験道の行場であり、いまも山伏の修行が行われています。毎年6月1日ごろに開山祭が行われ、冬のあいだは閉じられます。

生まれかわりの旅の、最後の山
出羽三山は「生まれかわりの旅」として巡られます。羽黒山で現在を、月山で過去を、そして湯殿山で未来を、という位置づけです。湯殿山は、新しく生まれ直す山とされています。
話さないことで、守られるもの
「語るなかれ」という決まりは、不便なようで、よくできていると思います。ことばにしたとたん、体験は説明に変わり、少しずつすり減っていきます。話さないことで、そのままの重さで残せるものがあります。
絵にも、似た働きがあると感じています。うまく説明できない気持ちを、説明しないまま、色とかたちで置いておける。ことばにしないで持っておく、という点で、湯殿山の教えと通じるものがあります。
Mermaid nao のオーダーアートも、ことばにしきれない部分を、そのまま一枚に残すための仕事だと思っています。
【参考にした情報・引用元】
ANA Japan Travel Planner(神秘に包まれた修行の山、出羽三山の奥の院 山形県湯殿山)
つるおか観光ナビ(自然と信仰が息づく「生まれかわりの旅」出羽三山)
一般財団法人休暇村協会 プレスリリース(「語るなかれ」「聞くなかれ」神秘が息づく行の山「湯殿山」6月1日開山祭)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/japan-travel-planner/yamagata/0000010.html
https://www.tsuruokakanko.com/lp/202103dewasanzan/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000434.000085653.html
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