月下老人と赤い糸 ― 見えない縁を、かたちにする

台湾に、縁結びの神様「月下老人(げっかろうじん)」がいます。日本でよく聞く「赤い糸」の話は、この神様に由来します。

赤い糸と、婚姻簿

月下老人は、唐の時代の物語に登場する老人の神様です。長いひげをたくわえ、右手に杖、左手に「紅線」と呼ばれる赤い糸と、婚姻簿を持っています。

この帳簿に書かれた組み合わせにしたがって、赤い糸で二人の足首を結ぶと、その二人はいずれ結ばれる、とされています。目に見えない縁を、糸という一本のかたちにしているのがおもしろいところです。

台北・霞海城隍廟

月下老人をまつる場所として有名なのが、台北の迪化街(ディーホアジエ)にある霞海城隍廟(かかいじょうこうびょう)です。1856年に建てられた廟で、月下老人がまつられたのは1971年からです。

46坪ほどの小さな廟ですが、神像の密度は台湾でもっとも高いと言われ、中国や香港、日本からも参拝者が訪れます。

夕暮れの赤い空
見えない縁を、赤い一本の糸というかたちにする ― Photo by Mermaid nao

見えないものを、かたちにする

縁は目に見えません。だから昔の人は、それを「赤い糸」というイメージにしました。かたちにすると、話せるし、祈れるし、覚えていられます。

わたしが絵を描くのも、これと同じことをしていると思っています。人と人のつながりや、大切にされている関係。目に見えないものを、色とかたちにして、壁にかけられるようにする。

Mermaid nao のオーダーアートには、ご家族やパートナーとの縁を一枚にしたい、というご依頼もあります。月下老人の赤い糸と、どこか同じ仕事なのかもしれません。


【参考にした情報・引用元】

臺灣宗教百景(台北霞海城隍廟)
JTB 海外ガイド(台北の超人気「縁結びスポット」霞海城隍廟の歴史と参拝作法)
ことりっぷ(台湾の縁結び専門職「月下老人」に恋愛成就祈願)


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