日々のこと 金魚と暮らすこと ― 水を替えて、眺める時間 家に、金魚とタニシがいます。特別な種類ではなく、ごくふつうの金魚です。水を替える金魚の世話でいちばん多いのは、水を替えることです。濁るまで放っておくことはしないので、こまめに少しずつ替えます。水温や、餌の量にも気をつけます。手間といえば手間ですが、慣れてしまえば数分で終わります。朝や夜の決まった時間に体が動くようになる...
制作と想い 香港・黄大仙のこと ― 「有求必応」と、願いを向ける先 香港に「黄大仙(ウォンタイシン)」という道教のお宮があります。「求めれば必ず願いが叶う」とされ、年間およそ300万人が訪れる、香港でいちばん大きなお宮です。病気平癒から、あらゆる願いへ黄大仙祠は、正式には嗇色園黄大仙祠といいます。本尊は黄初平(こう しょへい)という、晋の時代の仙人です。道教だけでなく、仏教の観音菩薩、...
制作と想い ホーリー祭 ― 色を浴びる、インドの春 インドに「ホーリー祭」という春のお祭りがあります。人々が色のついた粉を、たがいに塗り合い、かけ合うお祭りです。色をあつかう仕事をしていると、この光景がずっと気になっています。善が悪に勝つことを祝うホーリーは、春の訪れを告げるヒンドゥー教の大切なお祭りです。由来のひとつは、悪魔の王と、信心深いその息子プラフラーダの神話で...
制作と想い ホスピタルアートのこと ― 病院にかかる絵が働くとき 病院にアートを取り入れる取り組みを「ホスピタルアート」と呼びます。絵で人を支えたいと考えているわたしにとって、はげみになる分野です。ホスピタルアートとはホスピタルアートは、病院の空間を、より快適で落ち着ける場所にするためにアートを使う取り組みです。飾られた作品そのものだけを指すのではなく、医療者・患者・つくり手・地域の...
制作と想い パウル・クレーさんと色 ― 「色彩と私はひとつだ」と書いた旅 画家のパウル・クレーさんは、色について考えるとき、わたしがいちばん思い出す人です。ある旅をきっかけに、色に対する感覚が大きく変わった人だからです。チュニジアへの旅1914年4月、クレーさんは画家仲間とともに北アフリカのチュニジアを旅しました。強い日ざしと、光にあふれた街の色。その体験の前と後で、クレーさんの色づかいは明...
制作と想い 佐藤千夜子さんのこと ― 天童が生んだ、日本初のレコード歌手 山形県天童市の出身に、佐藤千夜子さん(さとう ちやこ)という歌手がいます。「日本初のレコード歌手」と呼ばれる人です。レコード歌手 第1号佐藤千夜子さんは1897年に天童で生まれました。1928年、31歳のときに日本ビクターで「波浮の港」などを吹き込み、レコード歌手の第1号になりました。翌1929年に発売された「東京行進...
制作と想い 真下慶治さんと最上川 ― ひとつの川を、生涯かけて描いた画家 山形県には「最上川」という大きな川が流れています。この川だけを、生涯かけて描き続けた画家がいました。洋画家の真下慶治さん(ましも けいじ)です。最上川に立ち続けた画家真下慶治さんは1914年、山形県最上郡戸沢村津谷に生まれました。最上川の景色を描き、晩年まで川べりに立ち続けたと伝えられています。同じ川でも、季節、時間、...
制作と想い 月下老人と赤い糸 ― 見えない縁を、かたちにする 台湾に、縁結びの神様「月下老人(げっかろうじん)」がいます。日本でよく聞く「赤い糸」の話は、この神様に由来します。赤い糸と、婚姻簿月下老人は、唐の時代の物語に登場する老人の神様です。長いひげをたくわえ、右手に杖、左手に「紅線」と呼ばれる赤い糸と、婚姻簿を持っています。この帳簿に書かれた組み合わせにしたがって、赤い糸で二...
制作と想い 関帝のこと ― 武将・関羽が商売の神様になるまで 台湾や香港の街を歩くと、お店や会社の中に、赤い顔で長いひげの神様がまつられているのをよく見ます。関帝(かんてい)、つまり三国志の武将・関羽です。武将が、商売の神様になった関羽は、三国志で知られる武将です。忠義に厚い人物として語り継がれ、のちに道教で神様としてまつられ、関聖帝君・関帝と呼ばれるようになりました。関羽が受け...
制作と想い 土門拳さんのこと ― 山形・酒田が生んだリアリズムの写真家 山形県酒田市に、土門拳さん(どもん けん)という写真家がいました。20世紀の日本を代表する写真家のひとりです。リアリズムの写真土門拳さんは、演出をせずに現実をそのまま撮る「リアリズム写真」を確立した人です。「絶対非演出の絶対スナップ」ということばで、自分の考え方をあらわしました。戦後の写真界を引っぱった存在で、「報道写...