媽祖のこと ― 海を渡ってきた女神と、祈りがかたちになること

台湾やアジアの港町を歩くと、「媽祖(まそ)」をまつるお宮によく出会います。海の女神です。わたしは海の近くで育った時間が長く、この神様に惹かれます。

一人の女性から、海の守り神へ

媽祖は、10世紀ごろの中国・福建省の実在の女性がもとになっている、と伝えられています。名前は林黙娘(りんもうにょう)。地元の船乗りたちが、航海の無事を願ってまつるうちに、海の守り神になっていきました。

やがて朝廷からも位をあたえられ、「天妃」「天上聖母」などと呼ばれるようになります。明の時代には、鄭和(ていわ)の大船団も媽祖を船にのせて航海したと伝えられています。

海を渡って、広がっていった信仰

媽祖信仰は、人の移動とともに広がりました。台湾、香港、東南アジア、そして日本にも媽祖をまつるお宮があります。沖縄や、長崎、横浜の中華街などです。石垣島にも媽祖宮があります。

いまでは航海安全だけでなく、暮らし全般のご利益がある神様として、世界で3億人以上の信者がいるとも言われています。

宮古島の夕暮れの海
媽祖は、こうした海をわたる人たちの祈りから生まれた神様です(宮古島にて) ― Photo by Mermaid nao

祈りが、かたちになっていく

媽祖の話でおもしろいのは、はじめは一人の人間だったものが、たくさんの人の祈りが積み重なって、神様というかたちになっていったところです。

アートも、少し似たところがあると思っています。願いや祈りは、そのままだと消えていきますが、絵やお宮というかたちにすると、何百年も残っていく。かたちにすることには、そういう力があります。

Mermaid nao のオーダーアートも、あなたの願いを、消えないかたちにしておくための仕事だと思っています。


[References]

笹川平和財団 海洋政策研究所 Ocean Newsletter(海の女神「媽祖」)
石垣島媽祖宮発展協會(媽祖信仰の由来)
公益財団法人 JFE21世紀財団 研究助成報告(日本における媽祖信仰の受容と船霊信仰に関する歴史人類学的研究)

https://www.spf.org/opri/newsletter/175_3.html
https://masoisg.jp/origin/
https://www.jfe-21st-cf.or.jp/furtherance/pdf_hokoku/2020/a03.pdf


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