
山形に戻ってきてから、日々の中で目が留まるものが増えました。
絵の色や形は、そういう小さなものから来ています。最近のことを、いくつか書いておきます。
台所で、サーターアンダギーを揚げる
宮古島にいた頃におぼえた、沖縄の揚げ菓子です。
生地を落とすと、油の中でゆっくり色が変わっていきます。白から、きつね色へ。
ちょうどいい色になる瞬間があって、そこをよく見ています。

犬は、日の当たる場所を知っている
家の犬は、時間帯によって寝る場所を変えます。
朝はこの窓ぎわ、昼は和室のこのあたり、と、光の動きに合わせて移動しています。
教わったわけではないのに、いちばん気持ちのいい場所を体で分かっている。制作していて煮詰まったとき、犬の隣に座らせてもらうことがあります。

金魚とタニシ
家に金魚とタニシがいて、こまめに水を替えています。
水をかえたあとは、鉢の中の色がよく見えます。オレンジ、黒、金。底の石のピンク、水草の緑。
最近は、この子たちを眺めている時間に、ずいぶん癒されています。

神社に、よく行く
用がなくても、神社に寄ります。
鳥居をくぐって、石段をのぼって、木のあいだを歩く。それだけで、頭の中がすこし片づく感じがあります。
制作に入る前に行くこともあります。何かをお願いするというより、自分の輪郭を思い出しに行くような時間です。
山形で、見ているもの
揚げ菓子の色、犬のいる日なた、金魚鉢の色、神社の木漏れ日。
その日に目が留まったものが、しばらくして、絵の色になっていることがあります。
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