
神社でお守りやお札を選んでいると、「心願成就」という言葉をよく見かけます。
「どう読むの?」「大願成就とは何がちがうの?」と思ったことがある方もいるかもしれません。
わたしは、自分の絵を「心願成就の一枚」と呼んでいます。この記事では、辞書に書かれている意味をたどりながら、心願成就という言葉と、わたしがそう呼ぶ理由を書いていきます。
心願成就の読み方と意味
心願成就は「しんがんじょうじゅ」と読みます。
「心願」と「成就」という、二つの言葉が合わさっています。
心願(しんがん)は、辞書では「神仏に、心の中で願をかけること。また、心からの願い」と説明されています。鎌倉時代のはじめに書かれた仏教の書物にも、この言葉が出てきます。
成就(じょうじゅ)は、「物事を成し遂げること。また、願いなどがかなうこと」です。
つまり心願成就は、心の中で願ってきたことが、かなうこと。そして同時に、心から願うことを、成し遂げることでもあります。
大願成就・所願成就とのちがい
よく似た言葉に、「大願成就」と「所願成就」があります。
大願成就(たいがんじょうじゅ)は「大願がかなうこと。大願が神仏の加護によって成就すること」。大きな願いが、神仏の守りによってかなうことをいいます。
所願成就(しょがんじょうじゅ)は「神仏にかけていた願いがかなうこと」。『平家物語』にも、この言葉が出てきます。
どれも「願いがかなう」という意味では同じです。そのなかで「心願」は、心の中で願うこと、心からの願いという、気持ちの深さに重心のある言葉です。
開運とのちがい
お守りには「開運」と書かれたものもあります。
開運(かいうん)は「運が開けること。幸運に向かうこと」です。
開運が「運」の流れについての言葉なのに対して、心願成就は「願い」についての言葉です。何を願うかが先にあって、それがかなう、成し遂げられる。ここが大きなちがいです。
願いをかけるという、昔からの習わし
日本には、神仏に願いをかける「願掛け」の習わしが、昔からあります。
百度参りや千度参りのように神社やお寺に何度も通ったり、米や塩などの食べものを一定の間断つと神仏に誓ったり、絵馬を奉納したり。願う内容がむずかしいほど、その方法も真剣なものになっていったといわれています。
願いを心の中にしまっておくだけでなく、かたちにして、目に見えるところに置く。絵馬に願いを書くのも、そのひとつなのだと思います。

わたしが「心願成就の一枚」と呼ぶ理由
わたしは、オーダーで絵を描くとき、まずお話を聞きます。
何を大切にしてきたのか。これから、どう生きたいのか。何を選びたいのか。
そこから感じたことを、色と光で何度も重ねて、一枚の原画にしています。
辞書を引いて、「成就」には「願いがかなうこと」と「成し遂げること」の、二つの意味があると知りました。
わたしが描く絵は、それを持っているだけで願いがかなう、というものではありません。願う未来へ動いていくのは、絵を持つご本人.
そのとなりで、毎日目に入る場所にある一枚。心からの願いを、色と光のかたちにして、そばに置いておけるもの。そういう意味をこめて、「心願成就の一枚」と呼んでいます。
絵を受け取ってくださった方から、こんな言葉をいただいたことがあります。
「毎朝この作品を見てから活動しています。」(30代女性)
絵馬に願いを書くように、願いを目に見えるかたちにしておくこと。それが、毎日の小さな行動につながっていくのかもしれません。
オーダーの流れや料金は、PERSONAL ORDER ARTのページにまとめています。
【参考・引用】
コトバンク(心願の意味・読み・例文・類語|デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
コトバンク(成就の意味・読み・例文・類語|デジタル大辞泉)
コトバンク(大願成就の意味・読み・例文・類語|デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
コトバンク(所願成就の意味・読み・例文・類語|精選版 日本国語大辞典)
コトバンク(開運の意味・読み・例文・類語|デジタル大辞泉)
コトバンク(願掛けとは|日本大百科全書(ニッポニカ)・改訂新版 世界大百科事典)
Related Articles
