絵を一枚、飾ろうと思ったとき。いちばん迷うのが「どのくらいの高さに掛けるか」ではないでしょうか。
答えを先に書くと、よく使われる目安は「絵の中心が、床から約145cm」です。この記事では、その目安と、ソファやベッドの上、座って過ごす部屋、何枚かを並べるときの考え方をまとめます。
絵を飾る高さの目安は?
アメリカの額装サービス Framebridge は、絵の中心が床から約57インチ(約145cm)になるように掛けることをすすめています。絵の上の端や、ひもの位置ではなく、「絵のまんなか」を合わせるのがポイントです。
この高さは、立っている大人の目の高さに近いと言われ、ギャラリーやインテリアの分野で広く使われています。額装とアートプリントの会社 Tribeca Printworks は、57〜62インチ(約145〜157cm)を、美術館やインテリアデザイナーがよく使う「出発点」として紹介しています。
決まりではなく、あくまで目安です。迷ったら、まず145cmから考えてみると、落ち着いた位置が見つかりやすくなります。
ソファやベッドの上に飾るときは?
家具の上に飾るときは、床からの高さよりも、家具と絵のあいだを目安にします。Framebridge は、ソファやベッド、机の上では、額の下の端を家具の上から7〜10インチ(約18〜25cm)あける位置をすすめています。
家具と絵がはなれすぎると、それぞれが別々に見えてしまいます。近づけることで、家具と絵がひとつのまとまりになり、部屋の「見どころ」が生まれます。
座って過ごす部屋では、少し低めに
Tribeca Printworks は、寝室やリビングのように、座ったり横になったりして過ごす部屋では目の高さが低くなるため、目安の範囲の低いほうから考えるとよい、と書いています。
床に座ることの多い和室や、ダイニングテーブルで過ごす時間が長い部屋も同じです。いちばん長く過ごす姿勢で、絵がちょうど目に入る高さを探してみてください。毎日、自然と目が合う位置に絵があると、ふとした瞬間に気持ちが切り替わります。
何枚か並べるときは?
何枚かの絵を組み合わせて飾るときも、考え方は同じです。Framebridge は、複数の額を「ひとつの大きな作品」と考え、そのまとまり全体の中心を約145cmに合わせる方法を紹介しています。
1枚の絵を主役にして、まわりに小さな絵を添えるのもすてきです。
長く楽しむための、場所の選び方
高さと同じくらい大切なのが、光です。シンガポールの国家文物局の保存修復センター(Heritage Conservation Centre)は、色が薄れる大きな原因として紫外線をあげ、作品を直射日光など強い光のそばに置かないこと、額装した作品には紫外線をカットするアクリル板を使うことをすすめています。
窓から直接日がさしこまない壁を選ぶ。それだけで、絵の色を長く楽しめます。
いちばん大切なのは「毎日、目に入ること」
145cm、18〜25cm、という数字は、迷ったときの手がかりです。でも、いちばん大切なのは、その絵が毎日の暮らしのなかで、ちゃんと目に入ることだと思います。
朝、身じたくをするとき。仕事の手をとめたとき。帰ってきて、ほっとひと息つくとき。そんな瞬間に目が合う場所に、絵を置いてみてください。
わたしは、お話をうかがいながら、その方のための一枚を描いています。どこに飾るか、どんな空間に置くかも、制作のときに大切にしていることのひとつです。ご自身や、大切な方のための一枚はPERSONAL ORDER ARTのページで、会社やお店のための一枚はBUSINESS ARTのページで紹介しています。
【参考にした情報・引用元】
Framebridge(What is the “right” height to hang a frame?)
Tribeca Printworks(How High to Hang Pictures)
シンガポール国家文物局 Heritage Conservation Centre(Fading and Discolouration)
